基礎知識 – 熱中症Lab
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基礎知識

『かくれ脱水』とは?
hakase人間の呼気や皮膚から水分が失われることを「不感蒸泄」といいます。「不感蒸泄」だけで一日あたりおよそ1Lもの水分が失われています。特に冬は空気が乾燥しやすいため、「不感蒸泄」も増える傾向にあります。
一般的に、寒くなると汗をかきづらいため、水分や電解質の補給を忘れがちです。しかし、冬でも補給を怠ると、知らず知らずのうちに脱水状態になってしまう場合があります。この状態が『かくれ脱水』といわれています。
熱中症とは、どんな病気なの?
img_character01最近、ますます注目度が高まっている熱中症。重症になると命にかかわることもありますが、正しい方法で予防すれば、未然に防ぐことが可能です。そこで、まず始めに、熱中症のメカニズムなど、基礎知識について解説します。

熱中症とは?

熱中症は、高温、多湿の環境で大量に汗が出て、体内の水分やミネラルのバランスがくずれたり、体温の調節ができなくなったりすることによって起きるさまざまな症状のこと。近年、地球の温暖化などの原因で暑さが年々増し、それに伴って熱中症の患者も増加する傾向があります。

WBGT=暑さ指数

「WBGT」という言葉をご存知ですか? これは、「気温」「湿度」「輻射熱」の値をもとに算出された指標で、一般的に「暑さ指数」と呼ばれます。また、WBGTの値によって、熱中症発生の危険度を、日常生活に関する指針として「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」の4段階に分類。熱中症を予防するために有効な指標として注目を集めています。環境省の熱中症予防情報サイトで公表されているので、運動や外出をするときにチェックするといいでしょう。

どんな場所で起こるの?
img_character02熱中症は屋外にいるときになりやすいというイメージがありますが、じつは熱中症の約3割は室内で起こっているのだそうです。ここで、どんな時、どんな場所で熱中症になりやすいのか、きちんと知っておきましょう。

日差しが強い場所

日中、日差しが照りつける場所では、熱中症が起こりやすくなります。たとえば、海やプールなどレジャーに行ったとき。ジョギングやテニス、野球などのスポーツ、学校の部活動、農作業、工事現場での仕事など、屋外で長時間活動をしているとき。このほか、日常生活でも、炎天下で買い物をしたり通学をしたりする際に熱中症になる人もいます。

室内熱中症

屋外だけではなく、屋内にいるときに発症する「室内熱中症」が増加しています。最近は、節電に対する意識が高まるなか、過度にエアコンの使用を制限して熱中症になるケースが多く、「節電熱中症」とも呼ばれています。室内熱中症は、部屋の気温や湿度が高く、通気性が悪い環境で発症しやすくなります。直射日光が当たるリビングや、蒸し暑くなるバスルーム、キッチンでは、熱中症のリスクが高くなるので、空気の入れ替えを忘れないようにしましょう。ただし、高層マンションの上層階は、窓が開けられないところもあるので、気温と湿度をこまめにチェックして、空調を調節することが大切です。

夜間熱中症

室内熱中症の中でも、とくに多いのが夕方から明け方にかけて発症する「夜間熱中症」。気密性が高い最近の住宅では、夜になっても室温が下がりにくいうえ、睡眠中は汗で体内の水分が多量に失われることなどが原因です。そこで、寝る前にコップ1杯分の水を飲むのを習慣に。アルコールは利尿作用があるのでお酒を飲んだ日は多めに水分補給しましょう。また、パジャマやシーツは、吸湿性や通気性が良いものをセレクト。エアコンや扇風機で、寝室の気温や湿度を適度に調整すれば、夜間熱中症のリスクを大幅に軽減できます。

どのような症状があらわれる?
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熱中症は、重症度によって「Ⅰ度(軽度)」「Ⅱ度(中等度)」「Ⅲ度(重度)」に分類されます。重症度によって症状は異なります。症状が軽い段階では気が付かずに、そのまま放置して悪化してしまう人も。なるべく早めに対処することが肝心です。

Ⅰ度(軽度): 熱失神

熱中症の症状が軽度のとき。体温を下げるために、体の表面部分の毛細血管が拡張して血液が集まります。そのため、一時的に脳への血流が減少し、めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気などが起こります。

Ⅰ度(軽度): 熱痙攣

炎天下で運動をしたときなど、大量の発汗によって、体内のナトリウムが失われます。血液中のナトリウム濃度が低下することによって、筋肉の収縮を引き起こし、手足の痙攣や筋肉痛、こむら返りなどが起こります。

Ⅱ度(中等度): 熱疲労

体内の水分が減少して体液や血液量が不足すると、それに伴って脈拍や血圧が低下。強い疲労感や倦怠感、おう吐につながります。適切な処置が遅れると、より重い熱射病に移行しやすい危険な状態です。

Ⅲ度(重度): 熱射病

脱水症状が進行し、もっとも症状が重い状態。体温の調節機能に異常をきたし、体温が40℃を超えます。ひきつけや意識障害、多臓器不全につながり、重篤になると死に至るケースもあります。

とくになりやすい人はどんな人?
子どもやお年寄りは、熱中症になりやすいので注意が必要です。このほか、偏った食生活や不規則な生活リズムの人もリスクが大。心当たりがある人は、予防するために、日ごろの生活を見直しましょう。

子どもについて

乳幼児は、体温調節機能が十分に発達していないため、気温の変化にうまく対応できず、熱中症にかかりやすくなります。さらに、身長が低い子どもやベビーカーにのせた赤ちゃんは、大人以上にアスファルトからの照り返しを受けているので注意が必要です。大人が常に体調をチェックし、いつもより顔色が悪い、くちびるが渇いている、ぐったりとしている、尿が少ないといった症状があれば早めに病院を受診しましょう。

お年寄りについて

高齢者は、皮膚にある温度センサー機能が低下し、気温の変化を自覚しにくくなります。そのため、空調や衣服の調節が遅れがちに。さらに、体内の水分量がもともと少ないため、発汗量が同じでも、若い人より脱水症状に陥りやすいのです。

不規則な生活リズムや偏った食生活の人

食事を抜くと、栄養が脳や体に行きわたらないため、新陳代謝が滞って、気温の変化に対応しにくくなります。熱中症を予防するためには、一日三食、決まった時間に規則正しく食べるのが基本。また、生活リズムがくずれて睡眠不足になると、脳や体の疲れがとれず、体温調節機能も低下します。このほか、お酒を多く摂取したあとは、アルコールの利尿作用によって体内の水分が失われるため、熱中症のリスクがいっそう高くなります。いつも以上に水分補給を心がけましょう。

ペット熱中症

img_character03_small犬や猫といったペットにも要注意。
人間と異なり、ほとんど汗をかかないので体温調節が難しく、熱中症になりやすいのです。とくに発症しやすいのは、蒸し暑い室内や車内で留守番をしたり、炎天下で散歩をしたりする際。急激に体温が上昇する、呼吸が浅く速い、よだれが出る、ぐったりするといった症状があれば、熱中症の可能性があります。